パソコン・インターネット

2007年11月24日 (土)

楽天テクノロジーカンファレンス2007

五内川です。

楽天のテクノロジーカンファレンスに招待してもらったので、さきほど行ってきました。

創業10周年記念ということですが、(たぶん)品川新本社のお披露目も兼ねているのかと推察されます。

三連休の中日にもかかわらず、会場は超満員でした。

内容は、楽天の歩みと最近取り組んでいるテクノロジーの動向に関するプレゼンが中心。

で、「楽天はサービス会社として認識されているが、システム開発や運用を大規模に内製しており、実際はテクノロジーも強い」というところをアピールする、という催し物でした。

主要なキーワードは、Web API、Ruby、大規模データ処理、データマイニング、検索とレコメンデーション等といったところでしょうか。

クライマックスは、三木谷会長、まつもとゆきひろ氏(ギャグで「2ちゃんのひろゆき氏とよく間違われる」と言っていたのが可笑しい)、Adobeの社長のパネルディスカション。

エンジニアは、アジアの低いコストのエンジニアに負けず、生産性の高いツールを使いこなして創造的なことに挑戦してほしい、というのがメッセージでした。

大学との共同研究にも意欲的で、今後いろいろなところで接点も出てきそうです。

次なるWebの進化に刺激を受けた一日でした。

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2007年6月15日 (金)

Twitter

「歴史は繰り返す」という言葉があるが、テクノロジーを使ったサービスの世界にも、それはある。

最近Webでは、Twitterというのがはやりそう、との記事があちこちにでるようになった。

ポストSNSで、しかしSNSほどリジットではなく、「家を出たよ」とか「食事しているよ」とか、たいしたネタでなくても、一行からの情報発信がお手軽にできる、というのがウリだそうだ。

筆者はやっていないのだが、先日ベンチャー企業の人と話していたら、「Twitterも、実は既にパソコン通信の時代にやっていたことにすぎない」と言っていた。

Niftyのパソコン通信で、親しい人ができると、その手のため口トークをやっていたそうである。

筆者も、シャープのザウルス(!)を端末にしてNiftyに参加していたので、懐かしい話だが、ことほどさようにサービスは似たような話が手をかえ、品をかえ出てくる。

もっともSNSこそ、パソコン通信のコミュニティと何が違うのか、などと言っている間に、あれよあれよと急成長してしまったから、一概に新サービスは否定できない。

世の中のニーズというのは案外あまり変わらないが、見せ方含めて新しい衣をまとう「温故知新」が大事なのかもしれない。

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2007年3月14日 (水)

秋葉原先端技術-の設立総会

「秋葉原先端技術実証フィールド推進協議会」の設立総会に行ってきた。

秋葉原を、先端技術の実証地域にしようという設立趣旨で、そのための産官学および地元の調整などを請け負うものだ。

東大自体の仕事というわけではないが、ここまで先端科学技術研究センター妹尾先生が推進役となり、また情報理工の廣瀬先生が会長という布陣で、東大の関係者も多い。

これ以外では、日立やNTTコミュニケーションズなど民間大手企業が理事会員となり、評議員やオブザーバーには、中央署長や大学関係者はもとより、地元の電気商店街や警察署、消防署も名前を連ねるというラインナップ。

妹尾先生の方からは、「秋葉原は住民、就業者、来訪者と三つがバランス良く合わさった街」との紹介があり、こういう条件で実証をやれるところは、都内でもほとんどないという話だった。

これまでも、ICタグの実験やロボット・イベントなどがあったけれど、国際的萌え都市(と、最新号のニューズウィーク日本版でも紹介されている)秋葉原で、今後どんな実証が行われるか、楽しみではある。

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2006年12月15日 (金)

Winnyを巡る問題②

ファイル交換ソフトのWinny裁判では、今回、著作権保護か新技術開発・普及か、というところが焦点になった。

同様の問題は、米国の先例から類推することが、有効だろう。

まずは、音楽ファイル交換ソフトNapster。

同社に対しては、全米のレコード会社がこれを違法として激しく訴訟に訴える。

違法との判決が出て、フリーの音楽ファイル交換ソフトは制止された。

しかし、ことはこれで終わらず、ならばインフラを整えるから安く楽曲を提供してほしい、と囁いたのが、スティーブ・ジョブス氏。

AppleのiPodとiTunesの誕生である。

次に、問題は、音楽から動画に飛び火し、Youtubeがやり玉にあがる。

同社は、著作権侵害動画のアップロードに対して、事前検閲は行わず、事後削除で応じる作戦を取った。

法律は遵守している(?)が、当然、削除までのタイムラグで、視聴者は動画を楽しめてしまう・・

梅田望夫氏がいう「確信犯」的手法だ。

結局、大型裁判になる前に、同社はGoogleに売却されたが、火種はなおもくすぶっている。

こうしてみると、Napsterで違法判決がだされた後も、シリコンバレーはそれを教訓にして、したたかに事業展開していることが、読み取れる。

違法判決→合法プラットフォーム作り→法律を逆手に取ったグレー作戦(アップ期間、再生時間、画質などの条件を制限)

日本においても、今回のWinny判決に落胆したり、怒ったり、挫けたり、ということだけではなく、技術者・経営者ともども、ぜひ次の一手を打ってほしい。

日本に今一番必要なのは、逆境を追い風に転換してしまう、したたかな知恵なのだと思われる。

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2006年12月14日 (木)

Winnyを巡る問題①

ファイル交換ソフトWinnyを巡る裁判で、有罪判決がおりた。

この問題、著作権侵害許すまじという意見から、技術開発を萎縮させるとの意見まで、様々な論議を呼んでいる。

ただ、この判決結果を聞いて、筆者が思ったことは別にある。

まずは、様々なIT系ベンチャーの経営者や技術者と話をしていて、異口同音に出るのが、「Winnyは、技術的にすばらしいソフト」ということだ。

セキュリティの専門家すら絶賛していたから、技術面での評価は最高ランクといえるのではないか。

従って、ひどく残念なのは、これだけの技術がなぜ社会問題化して裁判まで行ってしまうのか、ということだ。

つまり、本来なら、この技術を生かしたビジネスモデルを考え、ベンチャー企業を立ち上げるなり移植するなりして、世の中に出すべきだったのではないか、と思ったのである。

いくらインターネットがオープンな世界だとはいえ、一個人で、しかもあれほど挑発的な形で投げ込むには、あまりにも惜しい技術だった。

実際、ベンチャー経営している方々からは、「ウチに最初からまかせてくれれば・・」という話も出ていたぐらいだ。

これがシリコンバレーだったら、素晴らしい技術は、まずベンチャー・キャピタルに持ち込まれただろう。

こうしてみると、日本の開発者・研究者に必要なのは、「技術を世の中にどう出すか」というところの基本的な道筋やメニューについて、多少なりとも心得を持つということだ。

何も研究者が自分でビジネスをやるところまでは必要なく、とっかかりは、「いい技術ができたら、ちょっと大学の産学連携本部や知財部、TLOに相談してみよう」ぐらいでも、いいのである。

Winnyは、大学での本業の研究ということではなく、個人が趣味で行った勤務外の発明のようなのだが、それでも頼りになる相談相手がいれば、もっと違う展開になったのではないか。

P2P技術の先駆ともなりうる技術が、このような結果になって、結局、誰も得する者などいなかったのではないか、という気がするのだ。

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2006年12月11日 (月)

ソフトウェアの人材教育

先日、ある先生から、ソフトウェアの人材育成に関して、聞いた話。

・・産業界は、ソフトウェアで即戦力となる人材を、大学教育で作って欲しい、というが、大学での勉強には4年とか6年の歳月が必要だ。

最近は言語のサイクルも短く、あるプログラミングのやり方を覚えても、産業界に入ったときには流行遅れになっている可能性が高い。

といって、大学が学問としてやる以上、言語の流行を先読みすることは不可能で、時間的には遅れる宿命を持っている。

とすれば、むしろプログラミングの基本に戻って原理的・基礎的な部分をしっかりやるとか、あるいは言語が変わってもそれに対応できるような柔軟性を養うべきではないか・・

という話だった。

米国のような先端アイデアを生み出すソフトウェア・エンジニア、インドなどの世界で続々生み出されるプログラマー・・にはさまれて、日本のソフトウェア力強化は喫緊の課題だが、産業界と大学の連携をどう取るのか。

またまた課題が増えそうだ。

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2006年12月 7日 (木)

スコット・マクニーリ会長講演を聞いて

火曜日に、工学部2号館で、Sun Mycrosystems創業者の、Scott McNealy会長を招いての、講演があった。(東京大学創立130周年記念事業)

ベンチャー創業時の苦労話などしていたが、「CEOはどこの誰からどの角度で殴られるかわからないが、会長職は気が楽でハッピーだ」と、経営の一線から身を引いた気楽さをにじませていた。

何年も前に米国出張して、彼の講演を聴いた時とは大違いだ。

当時はSunの経営がかなり傾いていた時で、Microsoftを悪の帝国呼ばわりして滅多切りにしていた。

その歯に衣着せぬ物言いが、シリコンバレーの名物の一つで、Oracleの会長と双璧と言われたものだ。

が、なにしろBill Gates氏もいよいよ引退ということで、敵役もいなくなり、過去四半世紀以上にわたってIT革命を牽引してきた大立者が次々舞台を去っていく。

もとより、IT思想史的にみれば、Sunが提唱したシン・クライアントの概念が、Google的なWebアプリケーションの世界へとつながっているわけで、同会長の理念が、現在の技術を予見していたとも言えなくはない。

その意味では巨大な功績なのだが、プレイヤーが入れ替わって、次なる世界では、いかなるゲームが繰り広げられるのか。

IT産業も、再び時代の変わり目に来たような感じがする。

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2006年10月12日 (木)

GoogleのYouTube買収②

(承前)

GoogleYouTube買収を見ての、もう一つの感想。

それは、パラダイムの変換がもたらす威力である。

かつて、ウィンテル全盛の時代は、PCに搭載されたCPUOSこそが、競争力の源泉であった。

有力企業が、インテル、マイクロソフトと同じ土俵で勝負すべく、新たなCPUOS開発にまい進した。

しかし、IBMもモトローラもサンマイクロシステムズもネットスケープも、その支配を突き崩すことはできなかった。

Linuxがオープン・ソフトウェアで、わずかにシェアを奪ったことを除けば、競合する商用ビジネスはことごとく討ち死にしてきたのである。

しかし、当時から、このパラダイムを破るものがあるとすれば、これだ、というものは提唱されていたのだった。

それは、シン・クライアント、あるいはASPモデルのようなものである。

クライアントから、バックエンドのサーバー側へと主導権を移す。

当時の通信回線の容量が整わない時点では夢物語だったが、それをはじめて実践しえたのがGoogleだった。

ここでパラダイムは、クライアントからネット側へと劇的にシフトした。

そして、だからこそ、パラダイム変換の先駆者たるGoogleは、YouTubeのような膨大な通信量を食うビジネスを吸収するだけの力があるのだ。

こう考えると、打倒Googleとは、本当に検索エンジンを作ることなのか、という疑問が浮かぶ。

わが国では、300億円かけて国産の検索エンジンを作るプロジェクトが始動するとのことだが、これはなにやら、IBM全盛時にホスト・コンピュータで勝負をかけた富士通、ウィンテル全盛に挑んだCPUOS開発会社(サンマイクロシステムズ、アップル、モトローラ、国産PCなど・・)のイメージと、かぶるのだ。

言うまでもなく、大型汎用機で勝負しているはずがいつのまにか土俵はサーバーやPCに移行し、OS戦争やブラウザー戦争をやっているうちにやはりWebベースへと土俵が移行する。

リングの中心で戦っているつもりが、そのリング自体がマイナーになってしまうことに気がつかない。

逆に言えば、時代のパラダイムを握った企業にとっては、同じパラダイムで勝負してくる会社は怖くない。

真の脅威は、パラダイム変換を起こす企業であり、そのためには野心的な技術が欠かせないのだと思われる。

現状をみると、Webベースはしばらく成長期であり、まだまだこのパラダイムを塗り替えるのは困難だ。

であればこそ、せめて発想だけでも、時代を超えたコンセプトを提唱することが望まれるわけで、出遅れたわが国ではそれがなおさら当てはまるように思われる。

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2006年10月11日 (水)

GoogleのYouTube買収①

GoogleYouTubeを買収した。

買収価額は16億5千万ドル(2,000億円)ということだが、事業を始めてまだ1年半かそこいらしかたっていないのに、これほどの値段である。

日本のミクシィーが、SNS事業開始後2年半あまりで株式上場に漕ぎ着け、2,000億円の時価総額がついた(最近はだいぶ株価も下がってきたけれど)という事例があるが、それをはるかに上回る速度だ。

 この期間の短さと金額を考えると、まさにインターネット・メディア事業こそが、現代ビジネスの最速成長分野であることが実感される。

Googleとしても、自社のGoogle VideoYouTubeに勝てないという現実を前に、この分野での主導権喪失を看過できないということだろう。

今回の買収の件で再確認したことが、二つある。

一つは、新産業創造時におけるトーナメント方式の威力である。

シリコンバレーの新興ベンチャーにとって、株式上場というゴールではなく、M&A(会社売却)というもう一つのゴールが、ダイナミックに働いている、ということだ。

とかく、M&Aでは、会社は買われたほうが負け、というペシミズムが働き勝ちだ。

王子製紙と北越製紙、ライブドアとニッポン放送(フジテレビ)、楽天とTBSなど、いずれも「買われてなるものか」という被買収側の激しい抵抗があった。

ところが、今回のYouTubeは、買収されることが大勝利なのだ。

交渉によって、買収後の経営の自由もある程度確保した。

仮に買収後に何らかの決裂があっても、YouTubeの創業者たちは、あと数百回起業してもありあまるほどの莫大な軍資金を、手に入れている

株式上場という面倒なプロセスを経ずに、これが実現されたのだ。

買収したGoogleの側も、時間をかけずに、このブランドや顧客(トラフィック)を活用していくことができる。

YouTubeが切り開いた平野をそのまま引き継げるわけだ。

日本であれば、新参もの許すまじとばかりに新規分野でも不毛な消耗戦を続け、相手を叩き潰すまで競争して、結局つぶされたほうの経営資源は有効利用されない、ということがしばしば起こりうる。

これでは、産業生成の効率が高いとは言い難い。

シリコンバレーの強みは、あたかも遺伝子が組み換えられるかのように、企業経営リソースの組み換えがダイナミックに起こる点にあり、先端分野ではそれがきわめて重要な役割を果たすのだ。

(続く)

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2006年9月19日 (火)

mixiの上場

先週、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を提供するMixiが、株式を上場した。

会員数500万人ということで、話題は呼んでいたものの、はやくも2,000億円を超える時価総額がついている。

こういうネットワークの上に個人が集う形式というのは、パソコン通信時代のフォーラムから始まって、掲示板(2ちゃんねるなど)、メーリング・リスト(これも廃れてきたけれど)、ブログと形をかえながら、今はSNSが旬になっているということだろう。

加えて最近では、FlickerやYouTubeに見られるとおり、静止画・動画の投稿サイトも、集客力を強めている。

アイデアの原型は同じだが、テキスト・オンリーから画像処理などの機能も加えてよりスケールアップしていく、という道筋を通っている。

そういう意味では、SNSも、日本において、出るべくして出てきたサービスといえる(もっとも、事前にそれを見抜くことはなかなか難しいが)。

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ところで、今回のMixiは、ネット系では久々の大型上場だったが、あいかわらず産学連携は蚊帳の外だ。

笠原社長は東大出身ではあるものの、同社のSNSビジネスは社会人となってから、構築されたものである。

Googleのように、大学での研究成果がビジネス化されたものではない。

コンピュータ・サイエンスの本丸において、日本は、まだまだ米国の産学連携の厚みの前では、敵ではないというところか。

もう少し、頑張っていかなければならないようだ。

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以下はぜんぜん余談だが、先週ある投資銀行のバンカーと飲みに行っていて、上場初日に初値を付けに行く投資家は、どんな人なのだろうという話になった。

普通の機関投資家(金融機関の運用者)が、新規上場株を初日に買うことは、まずない。

個人の投資家が中心になるのだろうが、公募価格の2倍くらいまで買いあがって、その辺が初値天井になることも多いから、よくやるなあ、という感想だった。

あいにく、知り合いにはそういう投資家はいないので、相変わらず不思議ではある。

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