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2010年1月25日 (月)

シンポジウム「クラウド・コンピューティングと大学発ベンチャー」開催

1月21日本郷キャンパス福武ホールにて、東京大学と共催のシンポジウム「クラウド・コンピューティングと大学発ベンチャー」を、開催することができました。

ご来場頂いた正確な人数はまだ最終確認していないのですが、180席のホールの7~8割は埋まっていたようですので、非常に多くの方にお越し頂いたと思います。ありがとうございました。

講師とパネリストの皆さんにも、大変お忙しいところご無理申し上げていたのですが、快く引き受けていただき、大変感謝しております。

さて、シンポジウムの内容ですが、産学連携本部長の影山先生からご挨拶を頂いた後、NTTコミュニケーションズ先端IPアーキテクチャセンターの高間所長から基調講演を頂きました。

「ネットワークに広がるコンピューティングリソースを活用してアプリを提供する」というクラウドの定義から始まって、全体概念とNTTグループの取り組みに関する話がありました。主なテーマは以下のようなものだったと記憶しています。

・クラウドのメリット

・市場規模予想(4年で3倍に拡大)、

・クラウドの種類(パブリック・クラウドとプライベート・クラウド)

・サービスの種類(SaaS、PaaS、HaaS)と実例紹介

・SaaSの問題点と、それに対するNTTグループのソリューション

といった話にまとめられると思います。

総じて、クラウドが抱える脆弱性に対して、高品質で安全安心なサービスを提供できる環境を用意できるというのが強みのように感じました。

続いて、大学発ベンチャーセッションでは、東京大学の助教でありリッテル社の研究員でもある清田先生から、オープンソースHadoopを用いた大規模分散処理システムの構築と運用ビジネスについて、お話がありました。

インフラビジネスにおいても、オープンソースの魅力が十分語られたと思います。

セッション二人目は、情報基盤開発の鎌田社長から、実際にアマゾンウェブサービスを用いた紙・帳票などのデジタル化事業について、ご説明がありました。

クラウド・サービスの代表例と言われるアマゾンを使いこなし、そのメリットとデメリットに対する知見をご披露いただきました。

セッションの最後は、フィジオスの小倉社長から、物理シミュレーションを用いたユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツのサイト運営についてお話がありました。

クラウドではアマゾンに加え、マイクロソフトのAZUREも使っていくというお話で、ゲームならではの使い方が印象に残りました。

その後は、私がモデレーターを務めさせて頂き、パネル・ディスカションへと移りました。

主に、パブリックとプライベートにおけるオープンソースの取り扱い、クラウド・サービスの選択、クラウド利用時の差別化と付加価値、クラウドの弱点とも言える遅延とグローバル展開の関係、大学の役割などについて、ディスカションを行いました。

私自身問題意識にあったのは、クラウドの登場で、サーバーを自社で買い切る資本力は不必要になったのではないか、もしそうなら資本力ではなく本当に知的アイデアや技術力だけで勝負ができる時代になったのではないか、ということでした。

こうした時代には、レガシーシステムを抱える企業よりも、クラウドを利用してゼロから新事業を立ち上げた方が有利になる・・

そのとき知的アイデアを生み出せる大学や、そこから起業する大学発ベンチャーに勝機があるのではないか、あるいは大手企業も大学の知的アイデアを生かすことが必須になるのではないか、といったものでした。

このディスカションで全てが明らかになっているわけではありませんが、クラウドの登場が、少なくとも情報産業においては「資本力」主義から「知識本位」主義への移行の引き金になるかもしれない、との予感を抱かせるものではありました。

ともあれ、無事終了して何よりでした。産学連携本部のスタッフの皆さんにも大変お世話になりました。お疲れ様でした。

機会があれば、またこのテーマを掘り下げて、次回のシンポジウムに挑戦してみたいと思います。

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