ソニーコンピュータサイエンス研究所シンポジウム
五内川です。たまには、外部の講演も聴こうということで、ソニーコンピュータサイエンス研究所(CSL)の20周年シンポジウムに行ってきました。
まずはソニー中鉢社長。大学の資源工学からエレクトロニクスメーカーであるソニーに転身した体験談を、おもしろ可笑しく語っていました。
国際教養大学学長の中島嶺雄先生からは、同大学のユニークな取り組みの紹介がありました。
秋田という地方にあって、グローバルな人材を育成する仕組み(学生は一年目寄宿舎制、その後必ず一年間の留学を義務づけ、国際的な単位互換も完備)には、驚きました。
今では、同大入学の難易度は、東大に次ぐところまで上昇しているとのことです。
続いて、CSLの各研究者の発表です。
CSLの所眞理雄所長からは、科学研究におけるオープンシステムの重要性について話がありました。
続く、北野宏明さんからは、「ロバストネス(システムの頑健性)」をキーワードに、生命現象のネットワーク探求のお話がありました。
これらネットワークを理解することで、創薬の仕組みも、単一ドラッグの発見のみに頼るのではなく、既存薬品の組合せによるパーソナライズ化が進む、との刺激的な仮説提示がなされています。
歴本純一さんからは、情報量が「人類の記述しうる全ての情報」から「人類が観測しうる全ての情報」に拡大すると、想像を超えた展開が起こると予測。
電子シミュレーションと社会・自然の挙動が一体化し、地球はサイボーグ化する、と、これまた大胆なお話です。
高安秀樹さんからは、経済物理学の知見を使って、金利に変わるシステムを提案。
ある種の大数の法則に基づくプロフィット・シェアリングを包含して、リスクをミニマイズする融資の仕組みを提唱しています。
最近はすっかりTVでおなじみ、茂木健一郎さんからは、脳に対する偶有性(半ば規則があり、半ば偶然)の重要性から説き起こして、個人はネットワークの中にいてこそ真価が発揮できるのだ、と持論を展開されています。
総じて、CSLに「コンピュータ」という言葉が含まれているように、どなたも爆発する計算力とネットワークの増大が何をもたらすのか、というところに、切り込んでいるように感じました。
その対象が、生命現象であり、地球の自然環境であり、経済であり、あるいは脳であるわけです。
一人の人間では到底持ちきれない、理解できないほどの情報爆発が我々をどこに導こうとしているのか、きわめて刺激を受けたシンポジウムでした。
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