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2007年7月12日 (木)

アーカイブ化される知識

先日のメジャー・リーグ、オールスター戦で、イチローが史上初のランニング・ホームランを放ち、MVPを獲得した。

あいにく、日中仕事をして、帰宅時間が深夜にずれこむと、夜のスポーツ・ニュースが終わってしまい、もうその映像も見られない、というのが、今までの困った問題であった。

ところが、最近は、Youtubeのような動画サイトが発達して、合法・違法を問わずどんどん映像がアーカイブにアップされている。

帰宅前に仕事場のパソコンをのぞきこみ、Youtubeに、「Ichiro」と打ち込んで検索するだけで、オールスターの中継映像、その後のニュースの映像、はては米国の放送映像(実況は英語)、と多種多様なアングルからの映像を見ることができるのだ。

好きな時に好きな映像を引き出すという体験を一度でも味わうと、これこそ消費者が真に求めるサービスなのだと実感させられる。

更には、見るだけでなく作って配信することもこれだけ容易になってくると、知識の創造・流通プロセスが変容するのは、避けられないのではないだろうか。

おそらく教育機関もこの流れの外にはいられないと思う。

過去の講義、世界中の講義が全て映像化されて、誰でも自由に引き出せるような時代になれば、地殻変動が起きるかもしれない。

知の体系はアーカイブにまかせ、特化した教育スキルを磨くのか、はたまた最先端の研究・創造に特化するのか、教育と研究の役割分担も再考する必要があるだろう。

前哨戦は既に始まっている。

筆者の属する調査の世界でも、セミナーや講演会の類はじりじり情報としての価値が薄くなってきた。

今までは共有が講演に来た数十人~数百人程度に限定されていた情報が、アーカイブにアップされた途端、あっというまに汎用化してしまう。(ひどい例だと盗み撮りもある)

インターネットがもたらしたのは、知識の強力なデフレ化現象。

知識産業に生きる我々には、大動乱の時代になったといえるかもしれない。

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