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2007年2月21日 (水)

特許のラインセンス料③

(2月8日より承前)

ライセンス交渉の難所を、もう一つ指摘したい。

それは、共同研究・共同発明先の企業が、この特許をクロスライセンスに使おうと思っている場合である。

企業が、その特許を中核にして自社製品を作るとか、あるいは他社に現金対価でライセンスをする場合であれば、その特許によるリターンが可視的で計測可能だ。

ところが、一般にクロスライセンス契約は、一つの特許を相互交換するというより、複数の特許をバルクでクロスすることの方が多い。

条件は、クロスライセンスを結ぶ両方の企業の交渉、力関係で決まる。

この場合、必ずしも、個別個別の特許ライセンスに市場価格やリターン計測可能な価格が付いているとは、限らない。

すると、このバルクに含まれた、特定特許(大学と共同開発したもの)の価値は、良くわからない、ということになる。

従って、企業が最初から、ある大学との共同特許をクロスライセンスの一材料と認識したとすると、特許価値よりも対外交渉力や政治力の方が重要ということなのだ。

当然、不実施補償含め、大学からの特許ライセンスの条件をそう簡単には飲めない、ということも起こりうるだろう。

実際、エレクトロニクス製品では、複数の特許を組み合わせて商品が成立するので、クロスライセンスを避けることは難しいと思われる。

ここで大学が攻めにでるなら、単に個別個別のライセンス交渉をするだけでなく、新分野の新技術をまとめて開発して、主導権を握り、パテントプールにメーカーの参画を呼びかけるぐらいの気概が欲しいところだ。

コロンビア大学が、圧縮技術MPEG2のパテント・プールを主導したのは、有名な話である。

それができたのも、コロンビア大学が基幹技術を押さえていたからだと言われる。

ライセンス交渉には、個別交渉から業界横断的な提案まで、様々なスペクトルがあるので、それらをうまく使いこなしていくことが重要だろう。






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