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2007年2月27日 (火)

イノベーション25

政府の「イノベーション25戦略会議」が、中間報告書を発表。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070226i515.htm

面白いのは、20年後の技術予想をやっているところ。

筆者もプロジェクト・メンバーだった、東京大学と野村證券の共同研究「50年後の日本」と比較すると、面白い。


イノベーション25                                         50年後の日本
▽カプセル型の超小型機械を飲んで健康診断→ 透視診断シャツ
▽高齢者が50歳並みの身体を保つ医療技術→ 個別化医療で寿命100歳
▽バイオ技術で改良した植物による砂漠緑化→ バイオシートで都市緑化
▽自動翻訳機能付きヘッドホン         → 動物語翻訳機
▽掃除、洗濯、介護などをこなす家庭ロボット → ロボット教師
▽電子マネー技術の普及で完全キャッシュレス社会→ なし 
▽衝突を自動回避する乗用車                      → 管制エアーカー

結構、対抗馬が出ている。
無いのは、電子マネーくらいだが、これはあまりにも当たり前すぎるから、載っていないのであった。

やっぱり、50年の方がもう少しぶっ飛んでいて、難易度が高そう。

さて、2050年に行く手前、2025年には、どこまで行くか、乞うご期待です。

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2007年2月21日 (水)

特許のラインセンス料③

(2月8日より承前)

ライセンス交渉の難所を、もう一つ指摘したい。

それは、共同研究・共同発明先の企業が、この特許をクロスライセンスに使おうと思っている場合である。

企業が、その特許を中核にして自社製品を作るとか、あるいは他社に現金対価でライセンスをする場合であれば、その特許によるリターンが可視的で計測可能だ。

ところが、一般にクロスライセンス契約は、一つの特許を相互交換するというより、複数の特許をバルクでクロスすることの方が多い。

条件は、クロスライセンスを結ぶ両方の企業の交渉、力関係で決まる。

この場合、必ずしも、個別個別の特許ライセンスに市場価格やリターン計測可能な価格が付いているとは、限らない。

すると、このバルクに含まれた、特定特許(大学と共同開発したもの)の価値は、良くわからない、ということになる。

従って、企業が最初から、ある大学との共同特許をクロスライセンスの一材料と認識したとすると、特許価値よりも対外交渉力や政治力の方が重要ということなのだ。

当然、不実施補償含め、大学からの特許ライセンスの条件をそう簡単には飲めない、ということも起こりうるだろう。

実際、エレクトロニクス製品では、複数の特許を組み合わせて商品が成立するので、クロスライセンスを避けることは難しいと思われる。

ここで大学が攻めにでるなら、単に個別個別のライセンス交渉をするだけでなく、新分野の新技術をまとめて開発して、主導権を握り、パテントプールにメーカーの参画を呼びかけるぐらいの気概が欲しいところだ。

コロンビア大学が、圧縮技術MPEG2のパテント・プールを主導したのは、有名な話である。

それができたのも、コロンビア大学が基幹技術を押さえていたからだと言われる。

ライセンス交渉には、個別交渉から業界横断的な提案まで、様々なスペクトルがあるので、それらをうまく使いこなしていくことが重要だろう。






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2007年2月13日 (火)

新規分野進出の意志決定

先日、あるIT系の大手企業の人と話をしていたところ、産学連携の話題になった。

そこで、仮に大学から面白い技術が出てくる可能性があったとしても、なかなか企業として積極的にそれを活かしていこう、という意志決定ができない、とのこと。

新規分野や新技術に取り組むには、米国でこんな事業が始まったらしい、という話のほうが、インパクトがある。

会社もすぐに盛り上がり、米国視察団も組まれ、予算もつく。

ところが、産学連携というと、役員会も「何それ?」みたいな話になって、提案した役員も白い目で見られたとか(笑)。

本来、企業にとっても、キャッチアップ型ではいけない、ジャパン・オリジナルというのが理想なのだが、米国の後追いをしているとやはり二番煎じになってしまう。

最近は、なかなか爆発的な市場を取れないという悩みもあるようだ。

一方、大学側としても(対象企業の属する業界や、企業の規模、発展ステージによって状況が違うとは思うが)、まだまだ日本の産学連携は全体的に宣伝不足、実績不足というところもあるのだろう。

両者の間を埋めていく作業は、まだまだ緒に付いたばかりだ。

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2007年2月 8日 (木)

特許のライセンス料②

(2月2日より承前)

特許のライセンス料をいくらにするのか、対価の算定はなかなか難しいものだということは、前回述べた。

実際、この特許はいくら、と一意的に決めうるとは限らない。

むしろ、実際にその特許を使った製品やサービスを展開してみて、事後的にどれだけの価値があったんだと気がつく、というのも大いにあり得る話だ。

そこで、特許のライセンス料には、製品やサービスの売上高と連動する形で設定するロイヤルティも多用される。

更に、事前のアップフロント・フィーと、売上連動のロイヤルティとの組み合わせというのも、よく見受けられる仕組みだ。

売上連動が増えるということは、大学からすると、リスクとプロフィット両面で、企業側とシェアリングをしていると言える。

特許自体の価値がわかりにくい、という場合には、こうした事後的な調整方法が適していると思われる。

一方で、最初にもらえるフィーが少ないと、大学側の資金回収が進みにくいというデメリットもある。

この辺の案配を、特許の価値や相手との交渉・力関係絡めて適正に設定していくことが重要だ。

こうして考えると、ライセンス・フィーの受取方法と期間は、大学の知財マネジメントにとって、戦術的な中核要素の一つと言えるだろう。


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2007年2月 2日 (金)

特許のライセンス料を巡って

(1月31日より承前)

ここまで不実施補償の話をしてきたが、今回は、特許料へと話題を移したい。

共同研究先の企業が実質的に不実施補償に同意した場合、あるいは第三者の企業にその特許をライセンス供与するとき、その対価はいくらになるのか。はたまた、どのように払われるのか、という問題である。

これはもう知的財産の価格の話になるわけで、当事者どうしの交渉というしかない。

何か便利な指標があるわけでもない。

ある種の需給、交渉力で決まるということだ。

その特許が事業のコアをなしており、どうしても必要不可欠だ、ということになれば、高い価格が付くと思われる。

反対に、当該特許はあったらうれしいが、無くても事業遂行に決定的な支障はでない、という場合は、価格が下がる。

その意味で、一般論だが、知的財産の価値がそのまま事業に直結しやすい医薬品事業などは価格が高いだろう。

例えば、副作用なしでガンを完全に押さえ込める画期的な薬ができた日には、いくら払っても欲しい、ということになる。

反対に、エレクトロニクス産業は、一つの製品が、様々な特許の寄せ集めで構成されており、クロスライセンスなども日常茶飯事化している。

一つ一つの特許に、高額なライセンス料を払っていたら、最終製品価格が途方もないものになるから、自ずと上限は決まってくるのだ。

ただし、もちろんエレクトロニクスでも、例外はある。

前例ない技術で、全く新しい大市場を独占的に築けるようなブレイクスルー型の技術であれば、エレキ分野といえども、高い評価がつくことは疑いない。

その典型例が、青色発光ダイオードだ。

技術的にも20世紀中の開発は不可能と言われた難技術だったが、加えて、光の三原色の欠けた最後のピースを埋めることで、爆発的な用途を生み出した。

これが完全に大学の研究室でできていたら、今頃その大学は、特許料で左うちわ状態だったろう。(続く)

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