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2006年11月10日 (金)

共同研究③~知的財産の共有

産学の共同研究を行う際、一部の企業によっては、「共同研究の経費は全部ウチが出すのだから、知的財産(たとえば特許権)はすべて自社のみの保有にしたい(大学側にも渡したくない)」という要望が出ることもある。

ただ、現状、これは通らない可能性が高い。

なんとなれば、大学側の研究者の人件費は、大学が持っているからである。

共同研究においては、仮に大学が直接経費を一円もだしていないとしても、人的能力と労力の拠出があるので、「一切合財」を企業が負担した、とまではみなされないのだ。

それなら先生の人件費も全て企業側が持てばいいではないか、ということだが、それも実際は難しい。

研究者が大学に帰属している以上、大学での教育や研究義務を負っているからだ。

人件費まで企業に出させるとなると、研究者は兼業申請を大学に提出しなければならないし、それによって行った研究が大学責務との利益相反にならないのか、研究が職務発明に該当しないのか、など厳しいチェックを受ける必要がある。

どうしても丸抱えするなら、研究者には大学をやめてもらって、当該企業に再就職するほうが、形的にはすっきりする。

以上のようなことを考え合わせると、共同研究においては、その成果物たる知的財産は、直接経費の負担にかかわらず、大学と企業の共有になるというのが一般的だ。

もちろん、それは単純に50:50の折半を意味するものではない。

特許法上は、やはり本当の発明人の寄与が問われることになるので、実態に即すことが肝要だ。

誰がその発明に寄与したのか、そのウェイトはどれくらいか、は事実に即して産学の両者で確定していかなければならない。

また共有特許は、その使い方、独占性、サブライセンス、などにおいて、ルールに則った取り扱いを要する。

その点はまた頁を改めて論じよう。

 

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