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2006年11月28日 (火)

共同研究⑥~成果発表のタイミング

(11月24日から承前)

共同研究で考えておくべき項目の一つに、成果発表のタイミングがある。

共同研究で何らかの発明があった場合、研究者(特に大学側)は、できるだけ早くその成果を発表したいと考える。

一方、企業側は、その発明を特許という形にして、ビジネス上の権利を確保したい、と思う。

その際、問題になるのは、発表が先か、特許が先か、ということだ。

特許の成立要件の一つとして、その発明が「公知の事実ではない」ということが要請されている。

従って、特許出願前に発明を公表してしまうと、特許が降りなくなってしまうのだ。

それなら、特許出願まで対外公表を控えたらいいだろう・・というと、そうもいかない事情がでてきたりする。

以下はある先生から話を聞いた話だが、笑うに笑えない話があったそうだ。

それによると、ある共同研究の成果は、たまたま担当チームのある学生の卒業論文(博士論文?)も兼ねていた。

ところが、企業側が、周辺特許なども一挙に固めるために、成果の特許出願タイミングをもう少し先にしたいと思っている。

かくして、その学生は論文が期限内に出せず、あわや留年かという状況になってきた・・

と、こうした困った問題もあるので、現実には、特許上の救済措置が取られている。

これによると、正規の学会などで公表された新発明は、発表から6ヶ月以内に特許申請すれば、「公知の事実」の例外となる。

加えて、最近では、大学の知財部の体制が整ってきたことや、研究者の特許出願に対する意識が高まってきたことから、以前よりは特許と論文のタイミングを戦略的に考えたり、あるいは発表前に力業で特許出願まで持って行く、ということも行われるようになってきた。

いずれにしても、共同研究を始めるに当たっては、有意な成果が出た場合の特許申請と論文発表のタイミングについて、共通理解を持つことが、ますます重要になってきた、と言えるだろう。

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