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2006年10月 6日 (金)

利益相反⑧

産学連携における利益相反は、研究者個人が独力でこれを回避しようとすると、多大の労力を要する。

個人レベルでは、リスクの所在を詳細に分析する時間も手間も、かけている余裕はない。

そこで、大学が組織として研究者を守り、もって産学連携に萎縮することのないよう支援を行う、というのが、大学の利益相反問題に対するスタンスだ。

ただ、そのためには、研究者が大学の定めたルールや手続きに則ること、また、必要な情報をタイムリーに大学側に伝達すること、が前提になる。

以前は、「大学に相談すると、うるさいから・・」ということで、研究者個人と企業が自分たちで何でも決めてしまう、というようなことがたびたびあったようだ。

しかし、これでは、いったん何かあったときに、大学組織は研究者を守れないし、守らない。

研究者は、自分の都合を優先した結果、個人でリスクを負うことになってしまうのだ。

従って、産業界はこの辺の事情を踏まえた上で、共同研究者に対して「学内手続きをきちんと踏んでいるかどうか、組織的バックアップを受けているかどうか」をしつこく確認することが、肝要だ。

企業は、往々にして、研究者個人との信頼関係だけで研究や仕事を進めているかのように思い込むが、その研究者がコンプライアンス対応を含めて、大学の組織的支援を受けている状態にある、ということは、きわめて重要なのである。

後になって発明の経緯に何らかの疑義が生じて特許が無効になるとか、あるいは技術移転が利益供与とみなされて、企業のブランドや株価に甚大な影響が出ないとも限らない。

そのため、産業界は、大学の利益相反に関する問題意識を研ぎ澄まし、それらの防止ルールやプロセスに関わる理解を深めていかなければならない。

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