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2006年9月22日 (金)

利益相反④

(9月15日から承前) さて、利益相反の可能性を最初からゼロにしようとすると、そもそも何もやらないほうが良い、ということになりかねない。

それでは、有用な活動を営む機会自体を、失うことになってしまう。

利益相反は、理念としては回避すべきものだが、実務の現場では、黒と白の二分法で完全に線引きできるケースだけとは限らない。

また、利益相反は、全ての行為が、法律に抵触するというわけでもない。

(取締役の忠実義務のように)法的に規定されているものもないわけではないが、それよりも、お互いの「信用」や「名声」を用いて歯止めをかけることが現実的だ。

利益相反の可能性は排除できないにせよ、その可能性が顧客や取引先などの関係者に周知徹底されていれば、信用の毀損は回避できる。

この場合、顧客や取引先は、相手の利益相反リスクを事前に織り込んで、行動できるからだ。

この場合、前提となるのは情報の公開と透明性の確保だ。

「隠れて利得が追求できる」状況を作らないことである。

利益相反の可能性がどこに発生し、その状況でなぜそのような行動をとったかを、関係者に説明できることが大事だ。

当然、基本的な考え方を作成し開示しておくこと、手続きのルール化、利益相反の可能性がある行動に対してのセーフ・ハーバー・ルール整備、内部の監査、定期的および迅速な情報開示など、が求められる。

畢竟、透明性や説明力(アカウンタビリティ)を高めることが、利益相反問題を解決する最も有効な方法なのである。

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