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2006年6月 5日 (月)

大学のミッションについて③

大学のミッションのうち、「研究」と並ぶ重要な項目として、「教育」がある。

過去の学問の体系を教える、学ぶ、ことができるのは、大学においてだけである。

実は、産業界から「大学での教育は役に立たない」「もう一度オン・ザ・ジョブでやり直して新人を育てる」という話が、時々でることがある。

しかし、おそらくそれは一面的な見方なのだろう。

大学における勉強は、知識の断片を詰め込むことではなく、過去の学問が築き上げられてきたプロセスを通じて、体系的なものの見方を養うところに意味がある。

ビジネスに用いられる特殊専門知識と、大学における学問の習得には違いがあるが、それは役割を分担すべきものと思われる。

その点、教育についても大学には大学の独自性があり、産業界の要請に従って人作りをしているわけではない。

産業界としても、その点を十分認識しておくことが必要だ(あるいは分かっているかもしれないが・・)。

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もちろん、教育のあり方も静的なものではありえないから、今後は様々な変化が生じることはありうる。

例えば、インターネットによって、世界の知の多くが検索可能になってきたとき、教師と生徒の関係はどう変化するのか。

オンラインでの教育の配信が可能になったとき(技術的には既に可能になりつつあるが)、学習方法はどうなるのか。

大学固有のコアがあるとしても、産業界や社会で広く生じた事象を、どう教育現場にフィードバックしていくのか。

はたまた、直近の例だと、少子化やらなにやらで日本の学生の平均学力が落ちているのではないか、といった問題だってある。

いずれにしても、教育というミッションは変わらずとも、その方法論は今後大きな変化に直面することが予想されるのだ。(続く)

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