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2006年5月29日 (月)

大学のミッションについて②

大学の三つのミッションのうち、最初の二つは理解が容易だ。

まず、「研究」というミッションだが、基礎的あるいは長期的な研究を全うできるのは、大学(あるいは公的な研究機関)以外に無いと思われる。

もちろん、民間にもR&D機関は存在する。たとえば、AT&Aのベル研究所のように歴史的な成果をあげたところもあるにはある。とはいえ、こうした特殊な例を除くと、やはり研究の全体的な厚みという意味では、大学をおいて他にない。

実際、ある研究者が言っていたことだが、特に基礎研究の場合は、事前に予測できる結果がそのまま出るだけでは、十分ではないそうだ。

むしろ事前の予測や常識を裏切るような、あるいはそもそも全く予期しなかったような何かと出会うことが、基礎研究の真髄である。

これが、今、流行言葉にもなっている「セレンディピティー」というものだ。

だから、「1年以内に必ず達成できる」という研究予算の申請を出すのは、自らハードルを下げているようなもので、「他人が見向きもしない」「できるかどうか全く分からない」ものにチャレンジする度胸と、時に失敗を含めてそれを許容する度量がなければいけない。

もちろん工学などの分野で、必ず期間内・予算内にプロジェクトを仕上げなければならないというものもある。そこでは、プレッシャーに打ち勝ちながら、所望の成果を出す技量も必要だ。

要は、基礎研究とプロジェクト型エンジニアリングの性格をきちんと分けて、双方から多面的な研究ができるようにしておく。

この両方を同時にできるところは、大学以外にないし、そこに意味がある・・。研究という言葉の持つ多様な側面をすべて肩代わりできるところは、他に無いと思われるのだ。(続く)

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